広報誌「コープみらい」2019年2月号

コープみらいの広報誌「コープみらい」をご紹介します。生活協同組合コープみらい


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パパさん管理栄養士の食育こ・ら・む今月のテーマ「こ食」って本当に悪いの?「5つの〝こ食〟」とその意味「5つの〝こ食〟」という言葉をご存じでしょうか?これは子どもにとって望ましくないとされる食習慣を語呂合わせで表現した、食育でよく使われる用語です。「孤食」…家族と別に子どもが一人で食事をすること「個食」…家族それぞれが自分の好きな個別の食事をすること「固食」…自分の好きな同じものばかり食べること「粉食」…パンや麺類など粉ものばかり食べること「小(少)食」…食事量が少ないことこれら「5つの〝こ食〟」に当てはまる食習慣を続けていると、栄養バランスが崩れたり、協調性を失いキレやすくなるなど、心と体に悪い影響があると言われています。食育活動の冊子や学校の食育の時間で教えられることもあり、聞いたことのある人もいるでしょう。「5つの〝こ食〟」って良くないこと?確かに、子どもが一人寂しく「孤食」する風景を想像すると何とかしてあげたくもなりますし、同じものばかり食べる「固食」は栄養バランスが心配になります。しかし残り3つの項目は何を問題にしたいのか、首をひねってしまいます。まず「個食」ですが、そもそも大人と子どもは必要な栄養素の量も違いますし、好みにも差がありますので、家族であっても本人に合った別の食事を用意するのは合理的であると思います。また、病気などで食事制限が必要になることもありますから、家族と同じ食事を食べないのは悪いこと、という価値観を子どもに与える必要はないでしょう。次に「粉食」ですが、パンや麺類はご飯に劣るものではなく、ご飯の方が健康に良いという根拠もありません。また、子どもたちに粉食文化の国の人たちが悪い食生活をしていると偏見を持たせてしまう心配もあります。「小(少)食」も、お菓子やジュースばかりでお腹がいっぱいになり食事ができないのなら問題ですが、元々の体質で少食の子どももいるはずです。「5つの〝こ食〟」に惑わされないででは、「孤食」や「固食」を良くない、とするのは問題ないのでしょうか。「孤食」や「固食」を課題として改善を目指すことは否定しませんが、何らかの家庭の事情で「孤食」や「固食」を余儀なくされている子どもにそれは良くないものだと教えても解決に結びつくものでもありませんし、自分の家庭を否定されたように感じてしまうかもしれません。「5つの〝こ食〟」は根拠も妥当性も乏しいお話です。あまり惑わされず、各家庭のできる範囲で取り組んで欲しいと思います。次回・最終回は「読者からの質問にお答えします!」の予定です。お楽しみに!田成崇信■PROFILE1975年、東京生まれ。管理栄養士、健康科学修士。病院、短期大学などを経て、現在は社会福祉法人に勤務。インターネット上で食と健康に関する啓発活動を行っている。著書に『新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK』(内外出版)、共著書に『各分野の専門家が伝える子どもを守るために知っておきたいこと』(メタモル出版)、『解き超科学』(彩図社)、監修者として『子どもと野菜をなかよしにする図鑑すごいぞ!やさいーズ』(オレンジページ)がある。07


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