広報誌「コープみらい」2020年4月号

コープみらいの広報誌「コープみらい」をご紹介します。生活協同組合コープみらい


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新連載エピソード1初めての“さようなら”コープデリグループの組合員数は約500万人。組合員の皆さんの数だけ、物語がある。その物語を毎月一つお届けしていきます。描いているのは皆さんのくらしとコープデリの接点。あなたの物語はどんな物語ですか。「近藤さんとの出会いで、息子の瞬しゅんは一歩踏み出せた」とマリさんは話す。マリさんの自宅へ、毎週コープデリ宅配で商品を届け0代男性)。週る職員の近藤さん(3に5日、毎日55軒ほどの配達をする。毎週、家の前に宅配のトラックが止まる音を聞くと、瞬くんは窓際に駆け寄った。「コープさんが来た!」。近藤さんに毎週会い、瞬くんは「大きくなったらコープさんになりたい」と言うようになった。マリさんは2年前の春、千葉県のこの町に引っ越してきた。会社員の夫と4歳の瞬くん、9歳の兄、3歳の妹の5人家族、真っ白な一軒家だ。瞬くんが幼稚園に入園する直前のことだった。家族みんな魚が好きで、コープデリ宅配では揚げるだけのあじフライなどを便利に活用していた。同年代の子どもを2人持つ近藤さんとのやりとりには、ちょっとした日常会話の中にもやさしい雰囲気があった。………§………年中さんになった翌春、面談で担任の先生に言われた。「瞬くんは場ば面めん緘かんもく黙症しょうではないでしょうか?」。幼稚園の教室で、1年間声を出すことができなかった。家では無垢な笑顔で過ごす感情豊かな子だが、教室や狭い空間でillustration:MaikoDakeはぐっと喉元に力が入り、ひと言も発せなくなってしまう。初めて聞く言葉を調べると、【幼児期の子どもに発症が多く、家庭などでは話せるが、ある特定の場面・状況では不安のために話せなくなる。】─息子の症状そのものだった。声を出せず表情も固まってしまう様子は、自分の声が聞かれるのを恐れているようにも見えた。その後、医師の診断も受けた。コープさんになりたいって言っても……。どうしたら息子は、他の子みたいに話せるようになるのだろう。………§………とある朝、「コープさんになるなら、あいさつができないとね!今日、幼稚園の先生に『さようなら』を言ってみようか」とマリさんは言った。少し考えて「じゃあ、がんばる」と瞬くんは答えた。帰り際、マリさんはそっと瞬くんの背中に手を添えた。「ほら、言ってごらん」。いつもとは違う表情、そして瞬くんは「さようなら」と言った。1年以上幼稚園に通って、あいさつができたのは初めてのことだった。マリさんは目の前で起きた奇跡に、気づけば涙を流していた。先生の顔を見ると、同じように泣いていた。このことは幼稚園でニュースになった。この日、水曜日は近藤さんが配達に来る日だ。マリさんはいつも近藤さんが持ってくる『担当者ニュース』の小さな返信欄についさっき起きたことを書いた。トラックが好きで、コープさんになりたい息子。彼にとっては「さようなら」のひと言が、大きな前進だった。たくさん配達をする中に、こういう家族がここにいること、そして息子の初めての夢を知ってもらいたい。しばらくすると近藤さんはメッセージを読んで、「いやぁ!うれしいです」と伝えに戻って来たのだった。それ以来、表情がやわらかくなった瞬くん。今でもさようならを言える日もあれば言えない日もある。瞬くんの、家でのお気に入りの遊びは、「コープさんごっこ」。マリさんのもとへ、「こんにちは、コープデリです」とおままごとの野菜を持って来て、マリさんとのやりとりを楽しんでいる。瞬くんの夢は進行中だ。話を聞かせてくれたマリさんの目からは、この日も大粒の涙がこぼれていた。エピソードを募集しています応募フォーム、Web版はこちらから。コープ職員との心に残る出来事を随時募集しています。氏名・電話番号・組合員番号を記入し、郵便(〒336-8526埼玉県さいたま市南区根岸1-4-13コープデリ連合会コミュニケーション推進部宛)か、Web応募フォームよりお送りください。このお話は、実際にあった組合員の皆さんとコープ職員との交流を取材し、物語にしています。登場する組合員のお名前は仮名です。07


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