2~3日前に吹き荒れた風で、木々の葉はすっかり落ちて、一足先に森は冬を迎えていました。地面には枯葉が敷き詰められ、足を踏み入れるとカサカサと乾いた音を立てていました。
明け方まで降った雨で森は潤い、木々の葉は輝き、緑が鮮やかに見えました。夕方、あちらこちらでリーン、リーン、コロコロという虫の涼やかな鳴き声が聞こえ、ひんやりとした風に秋の気配を感じました。
つい先日、森に春が来たと思ったのもつかの間、この2ヵ月近くで木々は恵みの雨と陽の光をたっぷりと浴び、一段と緑が濃く、大きくなっていました。森では「ホーホケキョ」と鳥のさえずりが心地よく響き渡り、ひょっこり顔を出したミミズを捕食しながら、命をつないでいます。
ヤマザクラも咲き終え、陽が差し込む広場にカキドオシの可憐な紫色の花が私たちの目を楽しませてくれました。越冬した女王バチが巣を作らないようスズメバチトラップ(駆除器)を設置しました。
冬枯れの森では、木々が葉を落とし地面を覆い、水辺には氷が張っていました。午前中は陽が当たって暖かさを感じた秩父の森は、夕方になると寒さが身にしみました。