辛すぎず、しびれと爽やかな香りが食欲をそそる!「味変」や「ちょい足し」に最適です。
のせるだけで本格中華が味わえるアイテムを、ぜひお試しください。
「辛さよりしびれ、ナッツの食感、まさにこういう商品がほしかった!」「子どもとおかずをシェアするのに、大人の分だけ後から調整できて良い」と、おすすめの声が多い「CO・OP 旨さしびれる花椒ソース」。かんきつ系の爽やかな香りとしびれる辛さが特徴のスパイス「花椒」を使った、いわゆる“食べるラー油”です。
この商品を生み出した株式会社宝幸の八戸工場(青森県)で主に作っているのは、サバなどの缶詰。同社は缶詰の加工技術を用い、食感や香辛料の風味が生かせる瓶詰の花椒ソースを開発しました。
左から、株式会社宝幸 八戸工場長 村上豊さん、商品開発部 角龍琢也さん
2021年3月の発売にこぎ着けるまで、開発には何と1年半ほど試行錯誤。「理想とするしびれる辛味をなかなか出せず、材料の選定と配合に苦労しました」と振り返るのは、開発担当の角龍琢也さん。
味の要となる花椒は数種類を取り寄せて吟味。しびれが強いものは苦味も強く、粗びきでしびれが強いものと細びきでしびれの弱いものをブレンドすることで、しびれと香りを出しつつ苦味を抑えました。
「原料が多種類あって、粒子の細かいものも多いため、味にばらつきが出ないよう、原料を入れる順序を守ってしっかり混ぜることが大事です」と語るのは工場長の村上豊さん。
すべてが全体に行きわたるよう液状・粉末状のものを混ぜてから、固形の具材を追加。最後にスパイスを加えることで、より香り高く仕上げています。
「商品の味を確認するのはもちろん、何と一緒に食べるのかなど、お客様の視点を踏まえて開発することが大事です」という角龍さん。同商品も、開発と並行してメニュー提案も進め、油淋鶏やとんかつなどにかけて食べることを想定していました。
「実際には組合員さんが想定を超えていろいろな料理に使ってくださり、非常にうれしいですし、勉強になります。私はよくチャーハンに使います。ほぼ炒め終わったところに入れて混ぜるだけで、本格的な味になりますよ」
実は辛味が苦手という村上さんは、「少量だけ使うこともできるし、各自が好みの味にできるのがいいですよね」とうなずきます。「辛さだけでなく、うま味があるので、白いご飯にかけるだけでもおいしい。アレンジの幅が広いので、暑さで食欲が落ちやすい夏も活用していただけると思います」と話してくれました。
これからの暑い夏、蒸し鶏に、そうめんに、冷ややっこに、ご飯のお供に加えてはいかがですか?
ベースとなる小麦粉に大豆油を加え、ダマにならないよう混ぜ合わせてから攪拌機に投入(写真A)。75~85度になるよう加熱しながら攪拌します。オイスターソース、唐辛子を主体とした麻辣醤などを投入し(B)、攪拌を続けます。
ヒーターを切り、砂糖や塩を投入(写真C)。一気に加えると混ざりきらず味がばらついてしまうため、攪拌機全体に行きわたるように加えます。食感の要となる砕いた薄皮付きのアーモンド、粒状の大豆たんぱく、乾燥たまねぎを順に入れて混ぜ続けます。さらに見た目のアクセントになる黒炒りごま、香ばしさを出す白すりごまを加え、2種類の花椒や唐辛子を加えて混ぜます(D)。
撹拌機から運搬用の箱に移します(写真E)。このとき一部を採取し、微生物の繁殖しやすさの目安となる水分活性値を測定。基準値以下になっていることを確認してから、自動計量・充填機にセットし(F)、少量ずつ下に落としながら計量、定められた量を瓶に充填します。
具材の上から大豆油を入れ(写真G)、瓶の口に付着した具材や油を手作業で拭き取ります。金属異物検査などを経て瓶にふたを取り付け(H)、洗瓶機で瓶ごと洗って周りの具材や油を流します(I)。
釜に入れ、96度で45分加熱(写真J)。真空状態で加熱することで、風味・色・食感を損なうことなく、中心部まで十分に殺菌します。加熱後は、急激な温度変化で瓶が割れないよう釜の中で20分ほどかけて常温に戻し、釜から出して瓶を乾かします。賞味期限の印字・重量検査を経て包装(K)。官能検査などの品質チェックを行った上で、箱詰めして出荷します(L)。
【広報誌2025年7月号より】