環境影響の指標 | 各界面活性剤の評価 | |
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生分解性 | 水環境中の微生物による有機物の分解されやすさ | 一般的な生分解試験では脂肪酸塩(せっけん)、高級アルコール系(AE、AES)、LASの順で分解されやすい結果となるが、せっけんは水温が低い硬水では分解されにくいため、通常の水環境では最も分解されにくい。 |
有機汚濁負荷(BOD) | 水環境中の微生物による有機物分解に消費される酸素の量 | 脂肪酸塩(せっけん)は高級アルコール系(AE、AES)、LASに比べ分解に要する酸素の量が大きい。 |
水生生物への影響(魚毒性) | 水環境中の化学物質の魚介類(水産動物)に対する毒性 | 脂肪酸塩(せっけん)は界面活性剤としてのもともとの能力が低く、水道水ではせっけんカルシウムという固形物になるためエラ呼吸をする魚には作用しにくくなる。高級アルコール系(AE、AES)、LASは条件に左右されずにある程度の界面活性効果を示すため魚への影響が相対的に大きい。 |
※「高級アルコール」とは、品質が高級ということでなく、炭素の数が12~18個からなる油のことをいいます。
家庭用品品質表示法に基づく分類(洗濯用) | 特徴 | |
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洗濯用せっけん | 界面活性剤として100%せっけん分(脂肪酸ナトリウムまたは、脂肪酸カリウム)を使用しているもの | ・冷たい水には溶けにくいため、お風呂の残り湯を使うとよい ・十分に溶かしてから使うと、高い洗浄力を発揮する ・やわらかな仕上がりになる |
洗濯用複合せっけん | 界面活性剤の70%以上が、せっけん分(脂肪酸ナトリウムまたは、脂肪酸カリウム)を使用しているもの | ・溶けやすくするためや、機能性を高めるためにせっけん以外の界面活性剤を配合 ・せっけんカスが衣類に付着することを防止するため、せっけんカス分散剤などを配合 ・せっけんよりも溶けやすく、低温でも洗浄力を発揮 |
洗濯用合成洗剤 高級アルコール系 |
界面活性剤が、動植物性油脂や石油から精製される高級アルコールからできている | ・水に溶けやすく、皮脂や油汚れに高い洗浄力を発揮 |
洗濯用合成洗剤 LAS系 |
界面活性剤が、石油から作られる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(ナトリウム)(LAS)の洗剤 | ・水に溶けやすく、皮脂や油汚れに高い洗浄力を発揮 |