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産直 げん気鶏

鶏舎の前でほほ笑む坂本さんの写真

鶏舎の前で笑顔の農場主・坂本さん。伯父から継いだこの仕事を始めて16年目

鶏舎の前で笑顔の農場主・坂本さん。伯父から継いだこの仕事を始めて16年目

鶏肉料理が大好きな皆さん!「産直 げん気鶏(げんきどり)」をぜひ味わってください

コープの「産直 げん気鶏」は、
生産者の元気いっぱいに育ってほしいという思いのもとに育つ鶏。
植物性の餌を与えることでくさみを抑え、さっぱりとした味わいの鶏に育てています。

ひなを受け入れる準備が最重要

コープの「産直 げん気鶏」生産地のひとつは青森県三沢市にあります。プライフーズ株式会社の生産者、坂本博隆さんに話を聞くため、自然に囲まれた農場を訪ねました。

1棟で育てる鶏は約8000羽、坂本さんの農場には6棟の鶏舎があります。ひなは、2・3棟単位で入雛(にゅうすう)し、年に約6回入れ替わります。

「農場へは、青森県内や岩手県で生まれたひながその日のうちにやって来ます。ひなを迎える準備が一番大事な仕事です。
鶏舎におがくずを敷く前に消毒し、季節によって暖房機や扇風機を使って、鶏舎内の温度を成長に最適な30度に保ちます。おがくずそのものも温めるため、冬場は温まるのに3日間かかることもあります。毎回、ひなの受け入れ準備が終わると、半分仕事が終わったような気持ちになります」と坂本さんは笑顔で語ります。

徹底した管理のもとで

鶏舎はもちろん、農場内に人が入るには体調に異変がないかの確認・体温のチェック、長靴は消毒し、プライフーズの社員であっても、鶏舎内には必要な巡回以外には事前承認がないと入れません。病気などを持ち込まないよう徹底しています。

鶏にとって快適な温度を保つうえで、急激な環境変化は負担になります。換気のしすぎも良くないので、坂本さんは新鮮な空気をいかに効率よく出し入れするか考えながら、鶏舎の窓を一度に全部開けないなど、きめ細かく調整します。乾燥しすぎても、湿りすぎてもいけない床面をいかに良い状況に保つか。同じ鶏を育てる先輩方のノウハウのおかげで自然にできると話します。

喚起のために調整された鶏舎の窓の写真

鶏舎の窓を少しずつ調整し、換気して鶏にとって心地の良い状態を作ります

ピュアな気持ちを持ち続ける

「『鶏に3つ以上のストレスを与えるな』とよく言います。微妙な変化も鶏のストレスになる。鶏舎の中にいて、自由に動き回れないことがすでにストレスだから、2つ以上のストレスを与えないようにしています。
いつも鶏の呼吸音や、くしゃみの様子を観察しています。ちゃんと餌を食べているか、水を飲んでいるか、あとは全体の雰囲気を見ています。口を開けている鶏がいたりすると、少し温度が高いのかなとか」

鶏の様子を見る坂本さんの写真

水がきちんと飲めるか、近づいて鶏の様子を見る坂本さん。この鶏たちは生まれて42日

鶏舎に入る時間以外にも窓から見て少しでも異変を感じたら、坂本さんは鶏舎に入って確認するようにしています。
「鶏の調子が悪くなった場合、その原因を作っているのは私なんですよね。預かったひなを、すべて元気に成長させたいという気持ちで仕事をしています。私は鶏を商品ではなく、大切な生き物といつも考えています。 仕事に対してピュアな気持ちを持ち続けたいです」
坂本さんは仕事への情熱を語ってくれました。

脂少なめ、さっぱりとした味わい

鶏の生育にふさわしい環境、改良に改良を重ねた餌、それと農場での飼育管理、そのどれが欠けても「産直 げん気鶏」の生産はできません。植物性の餌を与えることで鶏特有のくさみを抑え、脂肪分が少なめのさっぱりとした味わいの鶏肉になります。

げん気鶏の飼料の写真

成長段階によって餌は4種類。改良を重ねて作られた、穀物類中心の植物性の飼料です

鶏は47~48日で出荷され、出荷後鶏舎は2週間かけて水洗い・洗浄し、消毒して乾燥させ、おがくずを敷き再び消毒し、次のひなを迎え入れる準備をします。 坂本さんは「現在は妻と2人で仕事をしていますが、今後は自分のように細かく鶏を見ながら仕事ができる人を育て、仕事をしていくのが目標です」と最後に話してくれました。

生産者が大切に育てている「産直 げん気鶏」。ぜひ、味わってみてください。

産直げん気鶏の調理例の写真
COLUMN「産直 げん気鶏とは」

飼育期間に抗生物質や合成抗菌剤を与えた場合でも鶏の体内には残留しないものの、それを不安に思う組合員の皆さんのニーズに応え、ひなから出荷されるまでの約48日間の飼育期間、初期に伝染病予防のためにワクチンを打つ以外には、無投薬飼育で育てます。植物主体の餌にビタミン剤・乳酸菌などを加えて栄養価を高め、腸内環境を良好に保ち、丈夫な鶏に育てています。

プライフーズ株式会社では、1995年頃から研究を始め、2年がかりで飼育方法を確立。自社の種鶏場で誕生したひなから、契約農場・委託農場とともに飼育・生産しています。そして、最適な餌についても研究を続け、改良してきました。

なお、鶏舎内の鶏ふんの混じったおがくずは、48日間使用したものを自社の処理工場で肥料に加工し、再利用しています。

【広報誌2019年8月号より】