和歌山県産の産直 清見オレンジを、低温で時間をかけて蜜煮にして
乾燥させた半生食感のドライフルーツ。
おいしい果物を届けたい生産者の思いと、果物のおいしさを残したいという製造者の
思いがこもっています。
井上さんは農業の専門学校生時代に、品種改良の末、清見オレンジが誕生する瞬間に立ち会ったこともあって、清見オレンジには特別な思い入れがあるそう。
「良い品物が作れて、収入が増えるとやっぱりうれしいよね。農業は人柄が大事。この先もこの産地の持続発展のために、この地で生産を続ける人たちとコミュニケーションを取って助け合い、仲間を増やしながら農業を続けていきたい」と語ります
果肉は鮮やかなオレンジ色、食べると口の中に甘ずっぱさと、みずみずしい果汁が広がる清見オレンジ。
「みかんとオレンジのいいとこ取りの清見オレンジは、香りが良く、種が少なく皮も薄いんですよ」と話すのは紀ノ川農業協同組合の生産者、井上雅夫さん。和歌山県紀の川市で、40年近く清見オレンジを生産しています。
作業は冬場に枝を切る剪定(せんてい)作業から始まります。4月の芽吹く前に剪定を終え、肥料をあげたり病気の防除をすると、6月には小さな白い花が畑にたくさん咲きます。「この花の香りが好きなんだよね」と井上さん。
草刈りをしつつ、8月に入るとその年の収穫量を考え、病気がないかを見ながら、きれいな実を残して数を減らす工程「摘果(てきか)」で、品質を安定させます。10月頃には大きな実になり、1月頃まで待って収穫です。
「実にたっぷりの栄養がいくようできるだけ長く木にとどまらせて太陽の光を浴びさせます。安全と安心の追求は、私たち紀ノ川農協の目指すところでもあります。コープとの約束(基準)に沿って農薬や肥料を管理し、しっかり育てています」。井上さんは終始いきいきと話してくれました。
この清見オレンジをドライフルーツにするのが、長野県下伊那(しもいな)郡にある南信州菓子工房株式会社。独自の真空濃縮釜を使って、皮のまま低温で時間をかけてやさしく蜜煮にし、乾燥させブドウ糖をまぶして仕上げます。
「生の果物のおいしさを残したいという思いを込めて、清見オレンジの色・形・風味・香りを損なわないように製造しています」と話す宮島(みやじま)清治(せいじ)さん。随所で人の手や目を使っての作業があります。
「『おいしかったよ』という声をいただくと、こんなに喜ばれるものを作っているんだなと実感できて、何よりうれしいです。農家さんの気持ちも込めて作っています」と話してくれました。
果物のおいしさがぎゅっと詰まっています。召し上がったことのない方も、ぜひお試しください。
左から、「CO・OP産直 信州産ふじりんごで作ったドライフルーツ」、「CO・OP産直 高知県産ゆずで作ったドライフルーツ」、「CO・OP産直 紀州産南高梅で作ったドライフルーツ」
コープの「産直」は、生産者・生協・組合員がつながり、安全性が確保され、おいしさと環境配慮を兼ね備えた、生い立ちがはっきりわかる農畜水産物をお届けするコープならではの取り組みです
【広報誌2020年4月号より】